新型コロナウイルスの影響により、抗菌・抗ウイルス床材が注目されるなか、2年も前からこの点に着目し設計された介護施設があります。
「入居者だけでなく、そのご家族も安心できる家のような場所でありたい」そんな思いで作られたのが、2020年10月にオープンした介護付有料老人ホーム「オリヴィエ前野町」です。

今回お話を伺ったのは、インテリアコーディネーターの堀川久咲代さん。これまで戸建住宅、賃貸物件、賃貸併用住宅、医院併用住宅、病院、サービス付き高齢者向け住宅など幅広いジャンルの案件に携わってきた堀川さんが、新たな介護施設に選んだ床材「マーモリウム」の魅力や採用に至った背景などをお聞きしました。

 

地域の医療を支え続けて60年。高齢化社会を見据えた新たな介護施設をオープン

昭和35年（1960）に「常盤台外科病院」を開設した医療法人財団朔望会。今年開院60周年を迎える同院は「親切、丁寧、確実、迅速」をモットーとする地域社会に密着した病院として地域の皆さんに親しまれ、信頼され続けています。また、高齢化社会に対応すべく、地域の高齢者のための施設への取り組みも行っています。「お一人お一人に寄り添う看護・介護」と「リハビリの充実」に努め、地域の皆様にいつまでも親しまれ、信頼される法人でありたいという想いから、今回の介護施設が完成しました。

 

共用部に抗菌・抗ウイルス性床材「マーモリウム」を使用

「オリヴィエ前野町」の最大の特徴は、共用部の全フロアに抗菌・抗ウイルス性能をもつリノリウム床材「マーモリウム」を使用していること。「高齢者が利用する施設のデザイン設計において、これまでは衝撃吸収性や防滑性といった安全面が重視されてきました。医療従事者ではない私の立場でできることは、免疫力の観点から素材でサポートさせていただくこと、自然治癒力を引き出せる空間を提供することと考えプランしました。今回の新型コロナウイルス禍はまさにこの考え方が間違ってなかったことを教えてくれたように思います。」と堀川さん。

多くの入居者から、「ウイルス対策がここまで徹底されていることを知らずに入居したけど、こんな想定外のメリットがあるなんて、感激しています。」という声が届いています。

 

フロアは天然木の表情が感じられるようなマーモリウム ストリアト ML-5239を採用。落ち着いた木調の腰壁と、柔らかな色調の塗り壁クロスとバランスさせることで、「木と土」という素材感を融合させ、視覚から親しみやすいようアプローチしています。

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新しい生活が楽しさや懐かしさに繋がる願いを込めて。
安心の機能性はもちろんのこと、上質感や居心地の良さへのこだわりが随所に

居室は、高い衝撃吸収性をもつ「タスクレイシート30E」と発泡層を備えたビニル床シート「ACフロア」を貼り合わせることで、転倒時のリスクを軽減できる設計になっています。

「ご入居されるご本人様と、面会で訪れるご家族、お互いにとって寂しさや心細さを感じないよう、ここで生活できて良かったと安心してもらえる心和らぐ豊かな住環境になるよう考えました。落ち着きのある高級感、それはかつて旅行で訪れたホテル、あるいは行ってみたかった場所、そこを訪れた時の高揚感や想い出が蘇るよう、新しい生活が楽しさや懐かしさに繋がるよう願いを込めました。」と堀川さん。

「地域の皆様が最後まで安心してこの地で暮らし続けることができるようサポートしていきたい」というお施主様の想いが反映されているようです。

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  居室には発泡ビニル床シートのACフロアを採用。低光沢の精緻な木目柄が上質感を、また発泡層による衝撃吸収性が安心感を与えています。

  
  

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  木調の腰壁は傷に強く、抗菌･防カビ仕様。エントランス部分には抗ウイルス性能を持つマーモリウムを採用しています。

  
  

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  脱衣室は視覚情報がヒートショックの予防になるよう暖色系の壁紙を選びました。マーモリウムは肌触りも好評です。

  
  

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  トイレはホワイトを基調としたクラシックな柄で、ホテルのような華やかさ。汚れ防止と抗菌を施した壁紙、消臭性能のある床を採用。

  
  

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安心感の相乗効果を生む「正しい姿勢を保つ椅子」と「マーモリウムの床」

「正しい姿勢は食欲増進し、健康寿命を延ばすことに繋がります。そのため、共用部分であるダイニングにはご自身の力で過ごせる時間が?くなるよう姿勢保持しやすい椅子を提案しました。起きている時間、集う時間が?くなることで、コミュニケーションを取ることに前向きになり自信がついてきます。ポジティブな効果のある椅子とマーモリウムのもたらす安心感の相乗効果は、ご利用者様、ご家族様、スタッフの皆様の幸せに繋がると期待しています。」と堀川さん。

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  花々が少ない季節でも美しい情景を楽しんでもらえるよう、窓辺にはやさしいラベンダー色の花柄のレースカーテンを採用し、空間に彩りを添えました。床には感染対策に効果があるマーモリウムを使用しています。

  
  

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  晴れの日のお散歩をイメージした機能訓練室には、木々をイメージした壁紙と風にそよぐ木の葉を意匠化したレースカーテンを採用。床には太陽、元気、希望を喚起する黄色を使い、前向きな気持ちになれる空間を構成しています。

  
  

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安心安全で居心地の良い空間は、お施主様とデザイナーそれぞれの想いがうまく融合してこそ

今回取材した「オリヴィエ前野町」では、安心安全な施設づくりの一環としてマーモリウムを採用いただきました。地域に密着し高齢者の方が安心して生活できるようにというお施主様の想いと、住み慣れた家にいるような落ち着きを感じてもらいたいというデザイナーの想いがうまく融合し、入居者の方が生き生きと暮らしていけるような素晴らしい空間になったのではないでしょうか。

 

「なぜ、マーモリウムだったのですか？」「実際使われてみてどうでしたか？」率直な疑問をぶつけてみました

──今回の採用床材を選んだ理由を教えてください。

堀川さん：お施主様からのご要望は、清潔な環境と清掃性の良さの実現でした。
TAJIMAの床材は、幅広い視野で性能や付加価値を持つ商品を積極的に採用されている印象です。
介護付有料老人ホームですので、入口から施設内へのウイルス等侵入を抑制できるよう、床には自然素材の亜麻仁油が抗ウイルス・抗菌・脱臭・ハウスダスト低減という4つの効果を発揮するマーモリウムが最適と考えご提案しました。
さらにマーモリウムは表面が削れても色柄が変わらない単層という点において、性能の持続性と維持管理のしやすさというお施主様のご要望を満たしており、提案の大きな決め手となりました。

──実物を見ての印象はいかがでしたか？

堀川さん：原材料は亜麻仁油を中心とした天然の材料でありながら、発色の良さや色柄が豊富で多様性があると感じました。

──実際に施工、使用されての感想を教えてください。

堀川さん：素材の発色の良さや溶接部分という細部まで色柄に近づくよう再現されており、商品を提供する事に対して責任と自信が感じられました。