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従来のおよそ2倍の衝撃を吸収する床材で最先端の安全を追求〜両備グループ115周年記念「Rちゃんバス」

岡山県を中心に交通事業などを展開する両備グループは、1910年に11.5kmの距離を結ぶ、鉄道運航会社からスタートしました。100年以上の歴史を持ち、岡山の方々に愛されてきた両備グループは、2024年7月31日より創立115年目にはいります。同社の原点となる「11.5」kmにちなんだ「115」周年を記念して、さまざまなイベントやプロジェクトが発表されました。そのひとつとして発表されたのが、115周年記念「Rちゃんバス」です。新しく誕生した両備グループのキャラクター・Rちゃんがカラフルにラッピングされた記念バスには、最先端の安全への配慮が施されています。
今回この「Rちゃんバス」の床材にTAJIMA製品を選んでいただきました。新しく備えられた安全への機能やご採用いただいた理由などお話をうかがいました。
今回取材にご協力いただいたのは…
両備ホールディングス株式会社バスユニット統括カンパニー リソースマネジメントセンター
両備バスカンパニー 本部 車両管理チーム
山本 良生さん

最先端の安全が施されたバス車両
高齢化社会における交通機関全般で、大きな問題のひとつとなっているのが高齢者の方による車内での転倒事故です。走行中に席を立たれた場合はもちろん、停まっているときでも転倒される方は多く、骨折など重度の怪我を負うことがあります。こういった事故を防ぐためにも、「Rちゃんバス」には従来の両備バス車両にはない、初めて装備されたものが2つあります。
1つ目はAI機能を使って車内の乗客の動きを察知するデジタルインナーミラーです。いままではドライバーが鏡で確認していた車内を、カメラ映像でほぼ死角なく確認できるだけでなく、乗客に動きがあるとAIが自動で感知しマークが表示されることで、ドライバーが視覚的に確認しやすくなりました。またドライバー泣かせだったバックミラーの死角もなくなり、より乗客にもドライバーにも安心安全な走行が可能となりました。


2つ目は車内に導入された、従来の路線バスのおよそ2倍の衝撃吸収性をもつ床材です。転んでも大丈夫な床はないだろうか、そのご要望のもと採用されたのはTAJIMAの防滑性ビニル床シート「ビュージスタ」と下貼り材の「タスクレイシートU」。車内での転倒などによる事故防止のために、ビュージスタによる防滑性と、タスクレイシートUによる衝撃吸収性を両立しました。
実際のバス車両を使って測定
まずいただいたご要望は「G値100を切りたい」でした。G値とは衝撃吸収性を表す数値で、G値が小さいほど安全性に優れています。しかし、そもそもバス車内の床材のG値がどれくらいあるのかがわからなかったので、実際に測定することを提案しました。じつは岡山には当社の工場があり、そこへ実際のバス車両を乗り入れ、測定や施工実験をすることになりました。TAJIMAとしても初めての試みです。
まずはコンクリートと当社の床材「ビュージスタ PLUS-省音やすらぎ」のG値を比較することからスタート。そこから工夫を重ねた施工の結果、コンクリートのG値160に対し、床材と下貼り材を組み合わせることで、今回バスに施工された床材のG値は58になりました。このG値は畳に相当するもので、より安全性の高い衝撃吸収性を実現することができました。AI機能で転倒事故を未然に防ぎ、万が一転倒してしまっても衝撃を和らげ、なるべく怪我をしないようにすることができる、安全性を追求したバスが完成しました。



──今回、TAJIMAを選んでいただいたきっかけは?
山本さん:
「衝撃吸収性にすぐれた床材を探していたのですが、車両の床材ということで、他社には断られてしまいました。有名な床材メーカーとして3社ほどあがったうちの1社が田島さんで、たまたま私の実家の近くに田島さんの工場があったのを思い出し、ネットで調べ広島営業所の方へご連絡いたしました。」
──実際のバス車両を乗り入れての測定はいかがでしたか。
山本さん:
「非常にありがたかったです。建物などに使われる床材の数値ではなく、よりリアルな数値を知りたかったので、バス車両を使って測定してもらいました。数人の社員で立ち合いましたが、とても興味深く参考になりました。実際の貼りあがりも床材の感触も想像よりも良かったです。」
両備グループ115周年記念バス「Rちゃんバス」 で使用されている床材
※こちらの仕様につきましては、弊社床材広報企画室までお問い合わせください。シート
ビュージスタ PLUS-省音やすらぎ
防滑/衝撃吸収/抽象柄
VPA-405
シート
タスクレイシートU
衝撃吸収
両備グループ
