木造住宅の雨漏り対策は「サッシまわり」がポイント
家づくりに大事なことって、なんでしょうか?
予算、耐震性、デザイン、間取り、メンテナンス性・・・など、どれも大事なことですが、家づくりで忘れてはいけないことの1つが「雨漏り対策」です。
そこで今回は、日本の戸建て住宅の約9割を占める木造住宅の雨漏り対策について解説します。
なぜ雨漏り対策が大事なの?
木造住宅では、家を支えるための主要な部分に木材が使われているため、雨漏りによって主要な部分の木材が腐ってしまうと、家全体の耐久性が低下してしまいます。
場合によっては大規模な修繕が必要となり、想定外の時間と費用がかかってしまうことも・・・
そのような事態にならないよう、最初に適切な雨漏り対策をしておくことが重要です。大切な家で長く快適に過ごすために、雨漏り対策のポイントを押さえておきましょう。
時代とともに変化する建物の雨漏り対策
世界的に見ても降水量が多い日本の住宅では、雨仕舞い(あまじまい)を重視して軒や庇(ひさし)の出が長いつくりにするのが一般的でした。
こうしたつくりによって、なるべく建物に雨水が直接かからないよう、雨掛かり(あまがかり)を少なくする工夫をしてきたのです。
ところが、現在では住宅のつくりはよりコンパクトになり、軒の出が短く庇のない屋根や、勾配のない陸屋根(ろくやね)を取り入れるなど、見た目はよりコンパクトになる一方で、より雨掛かりの多いつくりが選ばれるようになりました。
こうした変化により、雨漏り対策では「雨水を建物に浸入させないこと」がますます重要となっています。
雨漏りが多いのは屋根よりも外壁
「木造住宅の雨漏り」と聞くと屋根を想像される方が多いと思いますが、実は、木造住宅でいちばん雨漏りの多い場所は外壁です。
外壁には、屋根・窓枠・笠木など、異なる部位どうしの接合部がたくさんあります。このように、異なる部位が接合している箇所を「取合い」といい、雨漏り対策では、この取合い部を確実にふさぐことがポイントになります。
外壁にはこうした取り合い部が多いため、雨漏りのリスクとなる部位も多くなるというわけです。
次に、外壁で特に注意が必要な雨漏りポイントを見ていきましょう。
外壁では、主に
- 開口部・サッシまわりの取合い部
- ベランダ・バルコニー笠木の取合い部
- 屋根・外壁・パイプまわりの取合い部
で雨漏りが発生しやすく、この中でも「サッシまわり」の取合い部は特に雨漏りが多い部位です。
サッシまわりはなぜ雨漏りが多い?
サッシまわりでは、雨水が窓枠を伝わって上から下に流れてきます。流れてくる雨水を確実に逃すための対策を「水切り」といい、雨漏り対策ではいかに水切りをするかがポイントになります。
サッシまわりで水切りがしっかりできていないと、流れてくる雨水をサッシが受け止める状態になるため、周辺に浮きや隙間があるとそこから水が浸入し、雨漏りが起きてしまいます。
これを防ぐために重要なのが、流れてきた水をしっかり逃す「水が切れる納まり」と、「適切な材料選び」、そして確実に隙間をふさいで水の浸入を防ぐ「正しい施工」です。
雨漏り対策のポイントとしてぜひ覚えておいてください。
今回は、木造住宅の雨漏りの中でも特に多いサッシまわりの雨漏り対策について解説しました。
普段は目にすることのない部分ですが、住まいの安心を陰ながら支えている「雨漏り対策」について考えるきっかけになればうれしいです。
開口部・サッシまわりの雨仕舞材
確実な水切りを行う
先張り防水シート
しっかり隙間をふさぐ
防水テープ
確実な施工をする
工具
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