田島ルーフィング株式会社

DENIM FLOOR
© TAJIMA ROOFING INC.
デニムフロア ページトップにもどる
 

THE DENIM FLOOR STORY

# 02 出会ってから

人が出会ってこそ、新しいものが生まれる。

現代の〝和〟って何だろう?

意外にも、デニムフロアはこんな疑問からスタートしました。
さまざまなベクトルで模索するなか、TAJIMAはカイハラと出会います。
しかし、ものづくりへの情熱溢れる両社にとっても、「床材とデニム」をフィットさせるという作業はかなりの難題でした。
今回はそんな暗中模索の中から、答えを見出すまでの開発秘話をご覧いただきましょう。

THE DENIM FLOOR   2018年度グッドデザイン賞受賞

グッドデザイン賞

「日本のものづくりを
伝えられるタイルを目指して」

始まりは、漠然としたもの

「2020年のオリンピックに向けて、〝和〟のタイルを作ろうと考えていました」と田島ルーフィングの開発担当者である三好は話す。
「海外の方が喜ぶ〝現代の和〟って何だろうと考えたときに、フジヤマ/サクラといったものではなく、〝日本人の手仕事の良さ〟じゃないかなと思いました。繊細で実直で丁寧な仕事。それが海外の人が称賛する〝和〟なのではないかと。
弊社は戦後、日本で初めてのプラスチックタイルであるPタイルを開発し、床空間に彩りを提供したメーカーです。ビニル床タイルの分野に安定した技術と歴史があります。その技術を生かし、コラボレーションしてもらえそうな企業を探しました。和紙メーカーであったり、金属加工メーカーであったり、本当にいろいろな方に話をお聞きしました」と三好。

つまり、最初からデニム素材を使った床用タイルというゴールが見えていたわけではなかった。まさに暗中模索。何かやりたいけれど、まず、誰とやろうか?という状態。「そうして出会えたのがカイハラさんでした。世界から称賛される、日本を代表するデニム生地のトップブランドです」と三好。

カイハラ株式会社は、創業は1893年(明治26年)。デニム生地の生産は分業制というのが一般的なところ、紡績から染色、織布、整理加工までをすべて自社で手掛ける国内唯一の一貫生産を行っている。そうした体制を整えることで、顧客のニーズに合わせた高品質のデニム生地を生み出すことが可能となる。
そんなカイハラデニムは、日本だけでなく世界からも高く評価されており、高級ジーンズブランド用素材として、引く手あまたの状態に。日本国内でのシェアは50%以上で、輸出量も国内トップだ。

三好 弘幸(みよしひろゆき)
三好 弘幸(みよしひろゆき) 田島ルーフィング株式会社

1972年生まれ。商社勤務を経て、2000年田島ルーフィング株式会社入社。営業の後、フロアマーケティング室所属。現在タイル開発に携わる。使う人に親しまれる製品づくりを目指す。

  • カイハラ工場でのデニムの検品の様子。熟練スタッフの手によって全反二度の検品を重ね、世界に誇る高い品質を維持している
  • 田島ルーフィング工場でのデニムフロア製造の様子。下地である置敷きビニル床タイルの寸法安定性は、高く評価されている

「デニムは床材には使えない」という前提からスタート

そんな日本を代表するブランドと出会えた田島ルーフィングだが、そこから先も、プロジェクトは悩みながらの前進だった。
「最初に話を聞いたときに、これは難しいなと。製品化は無理なんじゃないかなと思いました」というのはカイハラ株式会社で海外営業・開発を担当する桒田(くわだ)氏。これまでカイハラ株式会社の担当として、数多くの企業とのコラボ作品を生み出してきた人物。実のところ、デニム生地を床のタイルに使うのは〝ありえない〟というところから話がスタートしていた。なんといっても床材は耐久性が重要。また防災という意味合いからも燃えにくいことが求められる。そこにデニム生地を使うのは無理というのが常識的な判断だった。

「当初、僕としては〝デニムの色〟で考えていました。デニムの色が変わっていく様子をタイルの意匠に持ち込もうと。もちろん印刷フィルムや塩ビでの表現です」と三好。それも良いが、より先進的で面白いものはないか?こんなのはどう?といったアイデア出しのやり取りが、なんと1年以上も続いた。

「いろいろな話が出ましたね。もう、ほとんど覚えてないくらいたくさんありました(笑)」と桒田氏。
そうした中で、桒田氏から、驚きの提案が出される。「デニム素材をそのまま床材に使いませんか」というもの。当然、床材のプロである三好は反対する。「デニムを床にひいたら、人の歩くところだけが白くなって、ケモノ道になってしまいますよ」と。

それに対して、桒田氏の答えは、「最高ですね!」だった。ここで三好の中に転換が起きた。

桒田 康弘(くわだやすひろ)
桒田 康弘(くわだやすひろ) カイハラ株式会社

1988年生まれ。2012年カイハラ株式会社入社。現在営業部所属。
デニムの可能性を常に追い求め、帆船、車、ホテル等、数多くの企業とコラボレーションに携わる。

会話から転換が生まれた

三好 弘幸(みよしひろゆき)

「桒田さんの“最高ですね!”の一言を受けて、自分の中で全ての点と点がつながり、具体的な製品の姿が見えました。ベースとなる考え方には、過去に弊社で開発した『モルタライク』というタイルが思い浮かびました。「モルタライク」は、モルタルをモチーフにした製品で、足跡などの日々の使用の跡が、床に味わいの表情を与えていく製品です。それとデニムジーンズのイメージがぴったりと重なりました。
また下地のバッキング材には、弊社の「置敷きビニル床タイル」が合うと思いました。置敷きビニル床タイルは柔らかく、一枚ごとにタイルを取り替えることができるので、汚れが問題になるであろうデニム生地にちょうど良いのです。桒田さんとの会話で転換が生まれました」と三好。

こうして頭の中にしっかりと製品の姿が見えてきたので、「デニムを使った経年変化するタイルを作ろう!と決心しました」と三好は当時を振り返る。

逡巡し、停滞していたプロジェクトに一気に道が開けた。すぐさま、三好は社内で人が一番多く人が歩く場所にデニム生地のタイルを貼ったテストを実施。さらに生産方法にも独自の工夫を重ね、そうした苦労の末に、ようやく『デニムフロア』を製品化。2018年2月に正式発売となった。

  • モルタライク - MORTALIKE - グッドデザイン賞

    マットな質感でモルタル調仕上げが特徴。経年変化が楽しめる。2017年度グッドデザイン賞受賞。

    材質区分:コンポジションビニル床タイル KT
    商品情報はこちらモルタライク
  • 置敷きビニル床タイル

    下地のバッキング材が柔らかく、OAフロア床などに採用される。TAJIMAには、意匠性が高い「LF-3000」から、医療施設向け「LF-9000」まで幅広くラインナップ。

導入事例

  • MOUNTAIN BAKE 導入事例ページはこちら

    表層のデニム生地は織物なので、光の方向によっては、はっきりした市松模様に見える。

THE DENIM FLOOR STORY

人が出会ってこそ、新しいものが生まれる。
デニムフロア開発の道程をご紹介します。

ANOTHER SIDE CONTENTS

  • カイハラヒストリー
    カイハラヒストリー

    「それは、絣に惚れた男から始まった。」 カイハラが1893年に創業してから、さまざまな苦境を乗り越え、 現在の世界的デニム生地メーカーとなるまでの歴史をご紹介します。 *ご覧になるには、Flash Playerが必要です。

  • Pタイル 時代とともに。ひとのそばに。
    Pタイル 時代とともに。ひとのそばに。

    GHQの要請を受け、Pタイルを日本で初めて製品化したTAJIMA。 Pタイルのさまざまな施工事例を、そこに関わる「人」とともにご紹介します。

  • はじめまして、僕はPタイルねこ
    はじめまして、僕はPタイルねこ

    皆さん 学校や病院などいろいろな建物の「床」に使われている「Pタイル」ってしっていますか? 「ピータイルねこ」が登場する「ふしぎの時間割」もご紹介。

THE DENIM FLOOR

プロモーションムービー

  1. ファクトリー編

    素材に対する真摯な向き合い

  2. ダンス編

    成長し進化する床を体感