愛洋産業は工業用ゴム・プラスチック・ウレタン製品をおもに取り扱う製造メーカーです。今年7月愛知県名古屋市に新営業本部ビルが竣工し、床材にはTAJIMAの製品を数多くご採用いただきました。

新営業本部ビルの特徴やデザインのコンセプトについて、代表取締役社長の岸さんと設計を担当された加藤設計の鈴木さん、丹羽さんにお話をうかがいました。

30年先を見据えた空間に

企業コンセプトである「アイディアをかたちに！」にする提案型企業として、多様なアクティビティに対応できる環境づくりをしています。そのため今回の新営業本部ビルでは、全従業員を対象にしたアンケートによるオフィスサーベイを行い、課題などを取り上げました。働いている従業員の皆さんがワクワクし、ここで働きたいと思うようなオフィス空間、そして災害対応も考慮した社屋という要望に答えられるよう、施工段階においても提案、調整してきました。

オフィス全体の空間デザインは「緑に囲まれたこもれびの白壁オフィス」をコンセプトに、どこの部屋からでも緑が見えるようにしました。それぞれの部屋に簡易的なコンセプトや方向性を設定し、従業員のモチベーション向上とコミュニケーションが自然と生まれる空間になるようにしています。

タピス グラシア 4040-7302、タピス アルテーレ 4020-7103

床材が空間の切り替えに貢献する

4階には、新製品の「タピス クラフトチェック」をご採用いただきました。
上品なベージュのチェック柄が広がるエレベーターホールと大会議室から、オレンジのカジュアルな雰囲気のチェック柄へ変化するABW（※）スペース。社内外の人が集まりコミュニケーションがとれる空間になるよう意識してデザインしました。

会議を行う場所からカジュアルな作業空間への調和をコンセプトに、移動式の間仕切りを開閉した際に床が調和するように貼り合わせました。カジュアルさを表現したいと伝えると、TAJIMAの担当の方から薄いチェック柄のカーペットタイルをご提案いただきました。新製品という付加価値に加え、柄のイメージを見たときに少しヨーロッパのハイブランドのようなイメージを感じたことがお客様に提案する決め手となりました。会議室からABWスペースへの自然な切り替わりとカジュアルさを表現でき、空間全体の引き立て役になっていると感じました。

※ABW 　Activity Based Workingの略。仕事の内容や気分に合わせて、働く場所を自由に選択できる働き方のこと。

気持ちを切り替えられるデザインに

5階と6階の執務フロアは生産性向上をイメージしてデザインしました。空間だけではなく気持ちも切り替えられるよう、エレベーターホールからゲート状のデザインを通過して業務のマインドへと切り替えるイメージです。配置される部門の業務内容を考慮して、5階は集中力、6階は躍動感を意識して床材を貼り分けました。什器を設置すると印象が薄まると思っていましたが、エレベーターホールから続きの空間となっているため、当初のコンセプトがそのまま表現できていたのが非常に良かったです。

各会議室にも発想会議や決定会議といった簡易的なコンセプトを設定しました。発想会議では自然の中でリラックスして打ち合わせをするようなイメージにしました。階段状の席を配置し、普段と異なる面白い会議ができるようにしています。また、座席は収納することができるので、テーブルを入れて通常の会議室にすることも可能です。

自然の中をイメージしたような緑色のカーペットは、床に座っても苦にならないデザインのものを提案いただきました。色がきれいなカーペットがとても印象的で、使ってみたいと思える空間になりました。