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[インタビュー]味わいと施工のしやすさがいい。Pタイルはこれからも使っていきたい床材です。「kurosawa kawara-ten」
TAJIMAの「Pタイル」は、1956年の発売以来いろいろな場所で足元を彩ってきた、まさに時代とともに歩み親しまれてきたタイル床材です。
今回は、そんなPタイルをこよなく愛するkurosawa kawara-tenの皆さんにPタイルを選ぶ理由や魅力についてうかがいました。
今回取材にご協力いただいたのは…
kurosawa kawara-tenのオフィス「ハヤシハウス」
今回お邪魔したのは、改築中のオフィス。林さんのお宅だったことから「ハヤシハウス」と呼んでいるそう。
木製の家具やインダストリアルな雰囲気の壁がおしゃれで、どんなオフィスになるのかな、と想像が膨らみます。
ハヤシハウスでは、地域の空き家を再生する活動の一環として、建築に興味のある学生といっしょに拡張設計に取り組んでおり、ときには少し実験的なことを試してみるなど、日々研究を重ねているそうです。
そのほかにも、学生へ向けて施工ワークショップを開催するなど、建築に興味を持つ若い世代が学びを得る場所にもなっています。
使うなら経年変化を楽しめる本物を選びたい。
───田島ルーフィングに対してどんな印象をお持ちですか?
黒澤さん:
じつは、「Pタイル」がTAJIMAの商品だということを知りませんでした。
コインランドリーの設計で、デニムの壁紙に合わせて床もデニムにできないかと考えているときにたまたまデニムフロアを知ったことがきっかけで、TAJIMAがデニムフロア以外の床材も扱っていることを知りました。
───床材に対するこだわりを教えてください。
黒澤さん:
できるだけ「〇〇調」より本物を使いたい。
いわゆるフェイク品というものを否定する気はないけど、時を経て味わいの出てくる床材を選びたいと思っています。
その点、Pタイルは新建材系(※1)に入るけれど、時とともに味が出てくると思う。
表面に少しテカリが出てきたり、端の方の角が取れてきたり。
床材にはそういう経年変化が楽しめるものを選びたいと思っています。
それから、Pタイルは施工がしやすく扱いやすいのも魅力だと思う。ぜひ使ってほしいです。
新建材
塩化ビニルやポリエステル、プラスチックなど、新たな素材や技術により開発された建築材料。床材においては化粧板、プラスチック床材など。
Pタイルもリノリウムも味わいを深めていくところがいい。
黒澤さん:
自分はリノリウムも大好きです。
アルヴァ・アアルト(※2)に憧れていて、彼の自宅にリノリウムが使われているのですが、施工してから80年くらい経ったリノリウムがとてもいい味を出していて。それを知って、自分もリノリウムをどこかで使いたいと思っていました。
住宅の床を選ぶとき、水を使う場所だけどクッションフロアは使いたくないな、という場合はマーモリウムをおすすめしています。
そんなわけで、TAJIMAのPタイルとマーモリウムはこれからも使っていきたい床材です。
アルヴァ・アアルト(1898-1976)
フィンランド出身の建築家・都市計画家・デザイナー。モダニズムの巨匠とも呼ばれ、その活動は建築から家具、ガラス食器などの日用品のデザインや絵画など多岐にわたる。
もっと素材の選択肢にPタイルが含まれるようになってほしい。
髙島さん:
今後、家づくりの際の選択肢として、もっとその人の好みや暮らしに合った素材を選択できるようになってほしいし、その中にPタイルが含まれるようになっていってほしいです。
三栗野さん:
TAJIMAの工場見学にも参加したとき、工場の一角に積まれていたPタイルの裏側がキラキラ光っているように見えて。それがなんだかかわいいなと思っていたんですよね。
Pタイルにはその印象がずっとあって、今回のハヤシハウスで自分が担当する場所に使ったら面白いんじゃないかなと思いました。
ちなみに、Pタイルの良さを知ってからは、当時設計中だった兄の家にもおすすめしました。兄は犬を飼っているんですが、フローリングは滑るから使いたくないと言っていて。
タイルであれば、ちょっと粗相をしても取り替えができるので、Pタイルをすすめてみたんです。
木のナチュラルな感じを希望していたので、ベージュに近い色を選びました(PタイルModen 品番:A-25)。
実際施工された床を見て、「めっちゃいいね!」と言ってくれました。
これからもPタイルを積極的に使っていきたいです。
───床材を選ぶ際、どんな情報を参考にしますか?
髙島さん:
建築家のなかで、Pタイルの良さに注目している方が増えているなと感じています。
そういった人たちとコラボした事例を雑誌やWEBなどでも取り上げてもらえるような機会が増えていけばいいなと思います。
特に、最近のお客さんはWEBで見た写真からヒントを得ていることが多いので、施工事例がもっとWEBで見られたらいいですよね。
黒澤さん:
学生さんや設計事務所への認知を広げるためには、動画や3Dモデル制作用として素材を提供するなんてこともいいと思う。
3Dモデルソフトを使う人は、デフォルトでもともとソフトに入っている木調のテクスチャー素材などを使うことが多いので、そこにPタイルなどの商品が素材として入っていたら、設計の段階で検討の候補に挙がるから有効だと思う。ソフトの会社に素材提供するのもありですよね。
自分はわざわざPタイルっぽく見えるように素材を加工して使ったりもしています。
これから注目のキーワードは「サスティナブル」「エシカル」
───これからの床材に求めるものを教えてください。
黒澤さん:
もっといろんな質感や風合いが楽しめる床材があるといいですね。
たとえば、テラゾーの質感なんかも面白いし、砂の質感が楽しめる床材があってもいい。
砂の採取場所によって異なる質感の床材が作れたりしたら、もっと面白いと思う。
その点、カーペットタイルではあるけれど、TS-7000シリーズの「コーヒー」(※3)は面白いデザインですよね。
あとは、最近よく聞くようになった言葉が「サスティナブル」「エシカル」。
こういったストーリーが背景にあると、商品自体の価値が上がると思うし、それによって床材がもっと身近な存在になってほしいです。
TS-7000シリーズ
2020年発売のカーペットタイル。10種類のデザイン展開。typeE「コーヒー」は、その名の通りコーヒーの麻袋をモチーフにしたドット柄のデザインが特徴。
床材や建築にとどまらず、街づくりや未来づくりへと広がる熱い想い
床材、建築に留まらず、建築を通した街づくり・未来づくりまでを考える黒澤さん。聞けば聞くほど熱い思いが伝わってきます。
お話をうかがいながら、床材のメーカーとして私たちができることは何だろう・・・と、思いをめぐらせました。
黒澤さんがこれからどんなことに取り組まれていくのか、楽しみです。
インタビューに登場した床材
- 置敷きビニル床タイル
デニムフロア
本物のデニム生地を採用。デニムの経年変化を楽しめる床材
デニムフロア製品情報» - ビニル床タイル
Pタイル
発売以来70年以上定番人気のロングセラー。
Pタイル製品情報»
三栗野さんのお兄さん宅に採用いただいたのは、シックな色合いのPタイルModen(品番:A-25) - リノリウム床材
マーモリウム
天然由来の原料を使用。天然成分(亜麻仁油)による抗菌・抗ウイルス効果あり。
マーモリウム製品情報» - カーペットタイル
TS-7000 typeE(コーヒー)
コーヒーが入った麻袋のグランジ感をスタイリッシュにリデザイン
TS-7000製品情報»
kurosawa kawara-ten
千葉県市原市西国吉1645-34
http://kurosawakawaraten.com/
お客様といっしょに床材を作っていく
田島ルーフィング 床材営業部 千葉営業所 栁田 咲桃子日々お客様と対話するなかで、新しいアイディアや思いがけない使い方に気づくことはよくあります。
私たちはメーカーですが、だからといって自分たちだけで床材を作るのではなく
建築に関わるさまざまな方々の声とともにより良い床材・空間を生み出していければと思います。
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