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[インタビュー]自然に還る天然素材のマーモリウムは、成り立ちも使用感も気に入っています
ポーラスターデザイン一級建築士事務所
天然素材で作られているリノリウム床材「マーモリウム」。サスティナブルな床材としても注目されているマーモリウムは、発明から150年以上経った今も世界中で使われています。そんなマーモリウムの魅力に注目し、事務所スペースの床材に選んでいただいたのが、ポーラスターデザイン一級建築士事務所の長澤徹さんです。
自然やエコロジーを重視するお客様が多いという長澤さん。エコの観点だけでなく、メンテナンスや施工のしやすさにも着目いただいています。事務所の床材にマーモリウムを選んでいただいたポイントや、実際の使い心地などをお聞きしました。
今回取材にご協力いただいたのは…
ポーラスターデザイン一級建築士事務所
一級建築士 長澤 徹さん
東京都立大学建築学科卒業後、ハウスメーカーである積水ハウス株式会社にて社内設計として活動したのち、2012年退社後独立しポーラスターデザイン一級建築士事務所を設立。2015年には建築作品コンテスト「ミーレのある住まい」準グランプリ、2017年にはnichiha siding award 2017 グランプリを受賞。2019年、2020年とグッドデザイン賞を受賞するなど、さまざまな賞を受賞されています。
「ふつうにふつうの住宅をつくれる事を目指し、今日もふつうの質を少しだけ高めて、明日にはそれがふつうになるように。」そんな思いをお持ちの方です。
できるかぎりシンプルで、“ふつうのゴミ”になる素材を選びたかった
今回マーモリウムを採用した事務所兼自宅を設計するにあたって考えたのが、塩ビなど石油系の素材をほとんど使わずに建てたい、ということでした。産業廃棄物ではなく、“ふつうのゴミ”になる素材で作ろうと思ったんです。その点、天然素材でできたマーモリウムは床材としてもいいですし、使用後には本当に普通のゴミになってくれる。自分の考え方にすごく合っていると思いました。
調べてみるとすごくいい黒のカラーがあって。建材の種類もなるべく減らそうと考えていたので、この事務所スペースも、コンクリートとラワン材、そしてマーモリウムというできるかぎりシンプルな材で作りました。落ち着くスペースにしたいという元々のイメージ通りにまとめることができました。
今回は下地の問題から、下貼り材のコルクメントも施工しています。そのせいか、クッション性も感じられて踏み心地もいいと思います。
傷つきにくく、水にも強い。水まわりの床材として、唯一の解答だと思う。
事務所スペースでの使用ということで、キャスター付きの椅子の使用に耐えられることも考慮しました。フローリングだとすぐにボロボロになってしまいますから。実際に使ってみても、まったく傷もつかず、なんの問題もありません。我が家には犬もいますが、爪の跡なども付きませんし、粗相してしまったときも簡単に拭き取れるのは楽でいいですね。
私のお客様には、自然やエコロジーをキーワードとして価値観を共有できるお客様が多いのですが、のちの世代に負担をかけたくないという高い意識を持った方や、材の素材感を大切にしたいというお客様にもオススメできます。
水まわりには塩ビの床材しかないとお考えの方も多いなか、水に強くて、掃除がしやすい、施工時にはシートなのでベタッと貼れるマーモリウムは、床材としては唯一の解答となるのではないでしょうか。本当に世の中にもっと広まって欲しいと思います。
ポーラスターデザイン一級建築士事務所に使用されている床材
- リノリウム床材「マーモリウム コンクリート」
無地調のなかに微妙な濃淡がデザインされたソリッドなブラック
【製品情報】マーモリウム コンクリート»全4色 使用色:ML-3725
ポーラスターデザイン一級建築士事務所
埼玉県さいたま市南区大谷口1398-11
https://www.polarstardesign.com/
TEL 090-6184-2771
MAIL polarstardesign@gmail.com
長澤さん設計「polaris」が2020年グッドデザイン賞を受賞
長澤さんが設計した作品は、いずれもさまざまな星の名前が冠されています。そのうち2020年に竣工した「polaris」(今回取材させていただいた事務所兼ご自宅)が、2020年のグッドデザイン賞を受賞しました。
多くのユーザーに利用してもらえる普遍性をテーマに掲げ、長澤さんの実験的な試みが散りばめられた作品。その詳細は、ポーラスターデザイン一級建築士事務所のホームページでご覧いただけます。
-POINT-
白と黒と木の色でできた「polaris」には、長澤さんの実験的な試みが詰まっています。高い回遊性、1階から2階、そして屋根まで連続した通気性、庭から屋内へくルーバーを連続させて広く見せる工夫など、建築に興味のある方はもちろん、住環境というアプローチからも非常に興味深い作品となっています。