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[インタビュー]海外でも評価されているTAJIMA床材 ~台湾篇
田島ルーフィング(以下「TAJIMA」)は1949年に床材の開発に着手し、翌1950年に床用タイルの製造販売を開始しました。その後もさまざまな新しい床材を開発し、今日まで建物内の空間づくりを足元から支え続けています。日本国内で塩ビ床材のパイオニアとして事業展開するTAJIMAですが、じつは海外での販売の歴史も長く、アジアをはじめヨーロッパやアメリカなど世界各国で利用されている実績があります。
今回は、台湾の販売代理店のお二人にインタビューさせていただきました。TAJIMA床材の現地での評価や採用事例、台湾の建築業界の動向などについて、ご紹介します。
今回取材にご協力いただいたのは…
TANG YAO INTERNATIONAL CO., LTD.タン クオ ハンさん
ジョセフ ゴンさん
まずはTAJIMAの床材についてお聞きしました
およそ40年前、TAJIMAが海外展開を開始したのと同時期にタンさんとの取り引きが始まり、台湾での販売がスタートしました。今はジョセフさんも事業に加わり、お二人でTAJIMAの床材を台湾全域に販売しています。
──台湾では、どのような床材メーカーが販売していますか?
比較的製造しやすいラミネートタイルにおいては、台湾や中国のメーカーが何社か販売しています。一方、良質なものをつくるのに高い技術が必要なコンポジションタイルについては、日本のメーカーが使われることが多いと感じます。また、ビニル床シートは欧米のメーカーが中国に工場も構えており、競争力が高いです。カーペットタイルもアメリカや中国などの競合メーカーが多い状況です。
──TAJIMAの床材はどのような建物によく使われますか?
ショッピングセンターなどの商業施設、病院や福祉施設、オフィス、ホテルなど、これまでの販売実績は多岐に渡ります。2023年以降もさまざまな種類の建物において商機があると考えています。
──TAJIMA床材の良いところを教えてください
施工性や耐久性などの品質が高く、施工時も施工後も安心して扱える点がよいと思っています。またデザイン性については、コンポジションタイルや石目柄のラミネートタイル「マティル」などは、日本特有の繊細な色柄や上質な質感をもっていて、とてもきれいな製品だと思っています。たとえば石目調で光沢のある色柄ならば、本物の大理石のようにリアルな質感でとても高級感があります。中高級カーペットタイルの「TZ」シリーズも、欧米メーカーとは異なる独自のデザイン性が感じられ、その点が好まれるケースもあります。
──TAJIMA床材の改善点や今後ほしい床材について教えてください
コンポジションタイルは台湾国内メーカーと比べて品質がよく、また、色柄の面でもとてもキレイだと感じています。他社に対して強みを発揮できるカテゴリーだと思いますので、今後も色柄についてブラッシュアップしていってほしいです。
採用事例1:空港内 搭乗ゲート
台湾最大の国際空港「台湾桃園国際空港」内の搭乗ゲートにご採用いただいています。上の写真では海をイメージした空間のなかに、明るく鮮やかな色彩をもつコンポジションタイル「ニューソフトン」の青3色が使われています。また下の写真では、野鳥のグラフィックや卵型のオブジェが目を引くなかで、カーペットタイル「タピス スタイルSS」がブラウンカラーで自然の世界観を作り出しています。
採用事例2:空港内 免税店
こちらも「台湾桃園国際空港」内で、各種店舗での採用事例です。上の写真では、木々をモチーフにしたインテリアと合わせてグリーンの木目柄タイルが使われており、日本でも人気のフロアパターンです。下の写真2枚はともに大理石柄のタイルで、表面の光沢が色柄とマッチして高級感があり、現地でも高評価をいただいているそうです。
採用事例3:福祉施設
天然木のような自然な木目を表現したコンポジションタイル「ウッドクラフト」をご採用いただいています。ほどよい明るさの木目柄で、床面からやわらかな印象を作り出しています。
採用事例4:工場内 オフィス
こちらの事例では6色の「ウッドクラフト」を同比率で混ぜて貼り合わせています。貼り方はヘリンボーン貼りで、より作り込んだ印象の床空間になっています。
台湾の建築業界の動向についてもお聞きしました
──業界の現状や今後について聞かせてください
コロナ禍の混乱から安定を取り戻してきており、建築市場としては増加傾向にあります。福祉施設やオフィスなどの市場で多くの案件がありそうです。台湾の主要産業である半導体工場については、政府が誘致していることもあって引き続き新しい建設があるでしょう。また集合住宅に関しては、築後40年を越える建物が多くなっており、台湾も地震が多いので、こちらも政府推進のもと大規模な改修プロジェクトが見込まれています。
──台湾で注目の建築物について教えてください
台北101
1つめは、台北市のランドマークである「台北101」です。その名の通り、地上101階建て、高さ509.2mの超高層ビルで、2004年の竣工当時は世界一の超高層建築物でした。(※現在はドバイのブルジュ・ハリファが世界一。)下層階はショッピングモール、中層階はオフィス、高層階は展望台やレストランが入っています。外観は台湾で縁起のよい植物とされる竹の“節”をモチーフにしており、しなやかに力強く成長することを表現しているそうです。
台中国家歌劇院
2つめは、台中市の大型コンサートホール「台中国家歌劇院」です。日本の建築家・伊東豊雄氏が設計した建物で、「サウンドケーブ(音の洞窟)」をコンセプトに、複雑な三次元曲線で作られた内装空間が最大の特長です。建物内には大劇場、中劇場、小劇場の3劇場があり、屋上には空中庭園、建物前には屋外劇場となる緑地が広がっています。外観にも大胆な曲線デザインが取り入れられており、プロジェクションマッピングが投影されることもあるそうです。
誠品生活松菸店
3つめは、台湾で人気の書店グループが運営する商業施設「誠品生活松菸店」です。台北101からも近くに位置し、かつて煙草工場があった広大なエリアを再開発して作られたカルチャースポット「松山文創園区」のなかに建っています。建物内には書店だけでなく、映画館やフードコート、カフェ、レストランに、各種ショップなどがあり、最先端の台湾カルチャー発信地となっています。このビルの設計も伊東豊雄氏で、床面にはコンテナ十数個分のTAJIMAのカーペットタイルが使われています。
台湾の人々の暮らしも足元で支えるTAJIMA床材
ハイテク産業による発展の象徴といえる高層ビルと、親しみの感じられる昔ながらの街並みが共存する台湾。そのさまざまな建物においてTAJIMAの床材が海を越えて使用され、人々の暮らしを支えているようです。今回その様子を具体的に知ることができて、私たちもとても新鮮に感じられました。また機会があれば、ほかの国についてもご紹介したいと思います。
今回ご紹介した採用事例で使用されている床材
- タイル
ニューソフトン防汚/耐摩耗性重歩行/抽象柄
613-343 , 613-344 , 613-356
- カーペットタイル
タピス スタイルSS原着糸/防汚加工/無地
4620-5901
- タイル
ウッドライン Hサイズ防汚/抗菌/木目柄
WBH-426 , WBH-602 , WBH-620 , WBH-621
- タイル
マティル Eサイズ防汚/抗菌/石目柄
MBE-106 , MBE-221 , MBE-505
- タイル
ウッドクラフト Aサイズ クラシック防汚/耐摩耗性重歩行/木目柄
631-104
- タイル
ウッドクラフト Hサイズ ヴィンテージ防汚/耐摩耗性重歩行/木目柄
644-205 , 644-207 , 644-208
- タイル
ウッドクラフト Hサイズ ナチュラル防汚/耐摩耗性重歩行/木目柄
648-801 , 648-804 , 648-809
- 弊社担当より -田島ルーフィング 床材営業部 海外事業室 仲里 政彦親日国として知られる台湾では、当社床材の価値を古くから認識いただいており、多様な場面で日本製の床材が使用されています。言わずと知れた半導体製造の一大拠点であると同時に、日本以上に少子高齢化が進む現状を抱えており、生産設備や医療/福祉施設などのさまざまな場所において当社の床材が社会貢献の一助となれば嬉しいかぎりです。