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医療・福祉施設のおすすめ床材を機能ごとに紹介
「適材適所」という言葉をみなさんも使うことがあると思います。たとえばビジネスの場において、その人の能力に対してふさわしい地位に付けることを意味します。この言葉の由来は、伝統的な建築現場における木材の使い分けから来ています。床材メーカーであるTAJIMAではこの考え方を発展させて、「適材適床」という言葉のもと、建物や部位ごとに適切な床材の機能について追求し、製品を開発・製造・販売しています。そこで今回は、医療・福祉施設について着目し、おすすめの床材をいろいろな機能ごとにご紹介していきたいと思います。
医療・福祉施設に求められる床材の機能とは?
医療施設であれば診察室や待合スペース、病室、各検査室、手術室など。福祉施設であれば、居住者のための居室や食堂、訓練室や多目的ホールなど。ともにさまざまな用途の部屋があり、それぞれのニーズに応える機能を備えた床材選びが必要となります。
●「衝撃吸収性」・・・身体への負担軽減や転倒時の安全性向上のため、衝撃吸収性が求められます。
●「耐久性」・・・多くの来院・入院患者の歩行や車イスでの移動に対する耐久性が求められます。
●「キレイさ」・・・多くの入院患者や居住者が過ごす空間なので、見た目も衛生面もキレイさが求められます。
●「壁面下部の保護」・・・車イスなどでの移動も多いため、壁面下部までケアすることも求められます。
これらのニーズに応えられるような床材を、ご紹介していきます。
おすすめ1:身体への負担を軽減し、転倒時の安全性を高める床材
衝撃吸収性は、医療施設においては病棟全般やリハビリテーション室などに、福祉施設においては居室をはじめ全般の部屋に求められます。これらの場所に適した床材としては、ビニル床シート「メディウェル」が挙げられます。その名の通り、医療施設の空間をより快適にする機能をもった床材で、衝撃吸収性とメンテナンス性をバランスよく備えています。色柄は木目柄、雲柄、繊維柄から多様なカラーを選べます。
さらに高い衝撃吸収性が求められる部屋には、発泡層付きのビニル床シート「ACフロア」がおすすめです。厚みを2.8mm、3.5mm、6.0mmの3種類から選ぶことができ、部屋の用途に合わせて安全性とキャスター移動のしやすさの両面から最適な床空間を作り上げます。色柄は木目柄、雲柄、繊維柄に加えてサンド柄や単色無地のカラーなどもあり、抗菌性や抗ウイルス性を備えている点も医療・福祉施設の空間にとって魅力です。
おすすめ2:多くの歩行者や車イス、重量物の移動にも耐久性がある床材
医療施設では病棟全般や集中治療室、CT室などに、福祉施設では居住者が過ごす部屋の全般において、床材に一定の耐久性が求められます。特に摩耗に対する高い耐久性を備えることは、床材の機能や美観をより長く維持することにつながります。そうした耐久性に優れる床材としては、ビニル床シート「タフゾーン」があります。シートの全厚が有効層のため耐久性が高くより長期的に使用できます。ストレッチャーや車イスなどの動荷重にも耐性を備えています。
医療施設のなかでも特徴的な部屋といえる手術室。そこでは重い医療機器の往来も想定されるため、特に高い耐動荷重性が求められます。床材としては、高機能型のビニル床シート「移動荷重用フロア」が最適です。シート類のなかでも特に高い耐動荷重性をもち、また、医療機器への悪影響を防ぐ帯電防止性や耐薬品性も同時に備える高機能床材です。
おすすめ3:“キレイ”で安心・快適な空間づくりをサポートする床材
医療・福祉施設のエントランスや待合ホールなどのように、建物の顔となるような場所には高いデザイン性を備えたビニル床タイルがおすすめです。石目柄タイルシリーズ「マティル」や木目柄タイルシリーズ「ウッドライン」ならば、豊富な色柄とサイズバリエーションのなかから、空間のイメージに合わせた魅力的な床面を作り上げられます。デザイン貼りによって、より作り込んだ印象の床面に仕上げることも可能です。
医療・福祉施設においては、感染対策も重要なテーマのひとつでしょう。各部門間の動線の分離や手洗い・消毒などが大切と考えられますが、床面においては抗菌性・抗ウイルス性のある床材によって、感染対策をサポートすることができます。リノリウム床シート「マーモリウム」は、抗菌・抗ウイルス効果に加えて脱臭効果、ハウスダスト削減効果も備え、居住者やスタッフが過ごす幅広い場所に適した床材です。天然素材から作られており、カーボンニュートラルを達成している点でも、近年注目の床材です。
施設内のトイレは、ニオイも含めて衛生面でのケアが必要な場所です。ビニル床シート「消臭ウェルクリーン」は、ニオイの粒子を化学吸着する消臭機能と、尿による変色がしにくい耐尿性を備えており、トイレ空間の床材としてよく使用されています。
おすすめ4:車イスなどによる汚れやキズから壁面を保護する巾木
車イスでの移動も多い廊下やエレベーターホールなどでは、壁面下部の汚れやキズ対策をすることも大切です。壁と床の接点を納める巾木のなかでも、発泡層付きの「ガード巾木・AC」は高さ30cmをカバーし、接触時の衝撃を緩和することでキズから守ります。また、ACフロアと同様の美観維持性と抗菌性を備える点も特長です。
壁面を保護する別の方法として、上の写真のように床材自体を立ち上げて、壁面下部まで伸ばして施工する方法もあります。その際は「ミニモール」などの部材を床材の端部に使うと、壁面とのつなぎ目もきれいに仕上げられます。
ノーワックス床材なら、ワックスがけの手間とコストを軽減
ノーワックスメンテナンス床材なら、高い美観維持性によりワックスがけ不要で床面をキレイに保ち、メンテナンスの手間とコストを軽減します。TAJIMAのビニル床シートは基本的にみなノーワックスメンテナンス仕様で、加えて抗菌性やその他の機能をそれぞれに持ち合わせています。これまでご紹介したシートのほか、幅広い色柄のなかから選びたいときは、108色のラインナップをもつ「パーマリューム」シリーズがオススメです。スタンダードで使いやすい色柄なので、施設のバックヤードなどにもよく使われています。
木目柄、石目柄、抽象柄などでデザイン性にこだわって色柄を選びたいときには、77色のラインナップをもつ高意匠型シート「マジェスタ」もあります。
タイル製品では、置敷きビニル床タイルの「レイフラットタイルノーワックス」があります。置き敷きタイプなので改修工事の際には既存床を剥がさずにそのまま重ね貼りし、短い工期で施工することが可能です。床材裏面の横ズレ防止加工によって両面テープで施工する「セルフタック」タイプ(受注生産品)もあり、接着剤の気になるニオイが発生しないので、入院患者や居住者への負担も大きく軽減できます。
施設内の空間ごとに、最適な機能とデザインの床材をお選びください
このように、医療・福祉施設にはさまざまな用途の部屋があり、それぞれのニーズに応える機能とデザインをもった床材があります。TAJIMAは床材メーカーのパイオニアとしてそれらの製品を開発製造し、よりよい床空間を提案しています。これからの空間づくりにおいて、床空間からお手伝いができましたら嬉しく思います。