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[インタビュー]ひとりひとりのこころとむきあう「スマイルクリニック イムス東京」

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「スマイルクリニック イムス東京」はひとりひとりのこころとむきあう、メンタルヘルスに特化したクリニックです。東京駅からほど近いオフィスビルにあるこちらのクリニックへ入ると、落ち着いた色合いでまとめられた家具や照明により、ほっと安心するような空間となっています。

今回こちらのクリニックでは、カーペットタイルやオリジナルデザインフイルム「ORIFY」など、TAJIMAの製品を多くご採用していただきました。設計をご担当された株式会社アイセルネットワークスの市村さんが、今回どのようにデザインをつくりあげたのか、また、普段からデザインにおいて大切にしていることなどをうかがいました。

今回取材にご協力いただいたのは…
株式会社アイセルネットワークス

市村 芳久さん

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メタファーデザインによるアプローチ

市村さん:
「まずはメンタルヘルスに特化しているクリニックであることを真剣に捉え、その環境や、医療を取り巻く状況、人々のライフスタイルの変化なども踏まえて深く考え、デザインをどうしていくか探していきました。年齢や性別、社会状況などいろいろな方が訪れるクリニックは、どこにも偏りがなく中立であることが求められます。さらにメンタルヘルスという非常にデリケートなところで物事を捉えなければいけません。そうしてたどり着いた「どなたにも確かな安心を」という考えのもとデザインを進めました。

今回のデザインアプローチでは、言葉の比喩的な表現からデザインへと落とし込んでいく、メタファーデザインを用いました。
精神の地平をイメージする…という思考の入口から「浜辺を歩く朝焼けの清々しい風景」というデザインイメージと、そのイメージをもとに比喩的に漠然と書き上げた文章からスタートしました。天然・自然の大気を「社会」、水面を「自身の心」に例えて、境目にあり大気温と水温の対比から生まれる水面の霧は「こころの揺らぎのようなもの」という大変に抽象的なものでした。心のままに書き綴る最初の文章から、理知的でエレガントな文章にリライトするようなデザインアプローチです。」

市村さんはまるで詩のように情緒ある文章からイメージを広げて、そこからさらにことばを抽出していきます。

市村さん:
「ことばの抽出の段階では、作家の文章や歴史上の人物の心に残る言葉などを集め、自身の心に残る言葉などをピックアップします。デザインイメージから生まれた「朝焼けの砂浜」のほか、さまざまな言葉からコンセプトとなるワードを引き出し、デザインへとアプローチします。

次にピックアップされたコンセプトワードをビジュアルイメージへと展開します。数々のワードから色彩や光彩、素材感などが徐々に表れていきます。

こうしたステップを経由して、最終的に「安心感(ニュートラル・マインド)」「快適感(静かに澄みわたる)」「やすらぎ感(穏やかな色彩・光彩)」という空間デザインに求める3つの要素が出てきました。病院のイメージとしては、余計な雑音がない静かで、無駄のないミニマルな空間も、メンタルヘルスにとってはいいイメージではありますが、今回は「やすらぎ感」、ほっとするような空間で緊張もほぐれるような優しい表現の方がよいと思いました。けっしてどちらも間違いではないイメージですが、今回は優しいイメージで事業者とも意見が一致しました。」

イメージからマテリアルへの展開

市村さん:
「ここからさらにこれまでにイメージしてきたものをもっと具体的なものへ落とし込んでいきます。ナチュラルオークやカーペットなど素材感やカラーリングなど具体的なイメージへと変わっていきます。これらをもとにいよいよマテリアルへと展開していきます。

さまざまなマテリアルのなかから、イメージに合うものをとことん追求していきます。最終的に決定したすべての素材には今までイメージしてきた「ことば」やストーリーがそれぞれあるので、なぜその素材を選んだのか明確に説明ができます。

クリニックのヘッドコピーとして「ひとりひとりのこころとむきあう」というものがあります。コンセプトとして最初からことばを探し、ミーティングやヒヤリングを重ねて、ディスカッションをしながら最終的にこのコピーとなりました。ここまでが一連の流れで、これらはすべて繋がっているのです。

今回の物件ではこれらをかなりの短期間でつくりあげることになりました。ことばからデザインを展開することは難しい作業ですが、「ことばを真剣にとらえない人がメンタルヘルスケアを語るわけにはいかない。」という強い気持ちで、事業者と理解を深めていきました。」

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TS-7000 typeD TSD-366

くらしの中にある身近なモチーフを糸と織りの表情で表現したカーペットタイル

今回メインの床材として採用されたのがTAJIMAのカーペットタイル「TS-7000」。レンガやコーヒー、シバフなどさまざまなものがモチーフとなったスタンダードシリーズです。
今回のクリニックのデザインイメージとして上がった砂浜は、さくさくと気持ちよく歩ける歩行感と粒々の柔らかい感じで、カラーはグレーベージュ。さらにビジュアルイメージとして「粗織物の様なラフなもの」というワードも上がっていたそうです。採用いただいたtypeDのモチーフは「アミメ」。網の目が前後左右に連続する美しい直線模様が立体的に表現されていて、この製品がクリニックのデザインイメージに合うことをすぐに感じていただけたそうです。

また診察室には置敷きビニル床タイルの「レイフラットタイルノーワックス」を採用していただきました。この製品は2024年3月にリニューアルした製品で、以前に比べて柄が自然に感じられるようになり、デザインイメージである砂浜を想起していただけたとのことでした。

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レイフラットタイルノーワックス 石目500×500mm LN-1708
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TS-7000 typeD TSD-366

既製品では出せない

クリニックの入口の扉にはオリジナルデザインフイルム「ORIFY」が採用されています。白だけで表現されたのは水平線や地平線、雲や霧。また、精神のゆらぎなどを波として表現しています。外から見るとクリニック内の照明が朝焼けの色のようにも見え、デザインイメージどおりのきれいな仕上がりとなっています。フィルムのデザインはTAJIMAの社内デザイナーと何度も話し合い、ただモヤモヤとしているのではなく、デザインイメージにある地平線、境目が表現できるまで調整いただいたそうです。既製品ではなく、オリジナルのデザインができるORIFYの利点を活かしていただきました。

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ORIFY
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ORIFY

──今後、床材で使ってみたい色柄やデザイン、機能などありましたらお聞かせください。
巾木シリーズの「ひとふで」がとてもよいコンセプトで気に入ってます。名前もとてもいいですね。空間を“ひとふで”書きで捉えようというところにコンセプトがあると感じました。床材と壁がもっと“ひとふで”になるものがあればもっといいですね。たとえば異素材との接点などももっと追求してほしいと思います。シリーズとしてもっと発展性があると思います。

高さ30mmでミニマルなサイズの巾木シリーズ“ひとふで”
従来の高さの巾木を施工したとき、壁面下部にある窓枠と高さが異なるため、空間のなかでガタつきが出て不揃いな印象を与えてしまうことがあります。そのようなとき、これまでの半分の高さ30mmサイズとなる新巾木は、パーテーションや窓枠などと高さが揃うため、壁面下部をシャープに美しく仕上げます。壁面に連続性が生まれるため、“ひとふで”書きしたような空間を演出します。

くわしくはこちら
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スマイルクリニック イムス東京

東京都中央区⽇本橋2-1-10 柳屋ビルディング2F
https://ims.gr.jp/smileclinic-imstokyo/

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田島ルーフィング 床材営業部 岩崎 仁美

この度は弊社床材・デザインフィルムをご採用くださいましてありがとうございます。オープン間近でお忙しい中、こころよく撮影させていただき、改めて感謝申し上げます。

 

『まずは「メンタルヘルスと向き合うこと」を真剣に捉え、ことばからマテリアルへの展開をはかった』、というお話をうかがって、とても真摯で誠実でロマンティスト、市村様のお人柄を体現するようなお話だと素直に思いました。
モチーフに「TS7000のアミメがイメージにピッタリはまった」と言っていただいてうれしかったです。
また、入り口に弊社オリフィをご採用いただき、「イメージ通りのものができた」というお言葉にオリフィ担当者も大変喜んでおります。
『ひとりひとりのこころとむきあう』ための空間づくりのお役に立てたこと、大変光栄に思います。
よりよい製品をご提案できるよう精進してまいりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

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