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[インタビュー] 研究・開発施設をクリエイティブな空間に プラナス株式会社 一級建築士事務所

TAJIMAが新たに発売した耐薬品性ビニル床シート「タイヤクフロア・ラボプラス」と「タイヤクフロア・ラボ」。

こうした機能性の床材においては、機能面に意識が集まりがちですが、じつはこの製品には、研究・開発施設などで使用するための機能性を向上するほかに、デザイン性やバリエーションを追求することで「そこで働く人の環境を向上する」というテーマがありました。

製品開発にあたってたくさんのヒントやアドバイスをいただいたプラナス株式会社 一級建築士事務所(以下プラナス)で、日本のこれからの研究・開発施設について、さらに研究・開発施設における床についてのお話をうかがいました。

今回取材にご協力いただいたのは…
プラナス株式会社 一級建築士事務所

執行役員/チーフクリエイティブディレクター 

福田 和将さん

 

プラナス株式会社 一級建築士事務所

栗原 栄佑さん

ラボはひらめきを生み出す、クリエイティブな場所。
そこに使える床材がようやく出てきた

福田 和将さん(以下福田さん):海外では、面白いワクワクするような研究・開発施設、イノベーションを起こせるような施設がたくさんあって、そこは研究活動する「人」のためのスペースになっています。
そうした施設で世界中から集まる優秀な研究者たちが働いているわけです。

一方、日本の従来の研究施設は、まだまだこうした空間づくりができていません。たとえば床材は、工場のように機能面が優先されるあまり、人がどのように感じるかは二の次で色柄が重要視されていませんでした。長尺シートも色がなかったり、テカテカしていたり。
そうした空間で研究をしていても疲れるし面白くない。これでは新しい発想は生まれにくいですよね。

研究・開発施設は、「クリエイティブに人が研究活動する場」として考えないといけないと思います。
従来のような無機的な早く帰りたくなってしまうような空間ではなく、行き詰まったときも気分が切り替えられてひらめきが生まれるような場所、そこに行きたくなるような場所でなければいけないと思います。

日本でもかつては「ウォークマン」を生み出したように、世界をリードするイノベーティブなモノづくりができていたと言われていました。研究施設の空間づくりが遅れてしまっているために、今までになかったような新しいモノづくりの分野において、世界から遅れてしまっているのではないでしょうか。

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プラナス株式会社 執行役員/チーフクリエイティブディレクター・福田 和将さん(10F DISCOVERY LOUNGEにて)

プラナスは、研究・開発施設の設計に特化した非常に専門性の高い一級建築士事務所です。
「デザインを通じてクライアントの『発見』や『イノベーション』に貢献すること」を使命とし、これまで多くの日本の研究施設やイノベーションセンターを、世界基準でクリエイティブな空間にデザインしています。

福田さん:研究・開発施設のデザインにおいて、通常は床のデザインは貼り分け程度で、それ以上はあきらめていました。研究者たちが長時間いたくなるように木目柄の必要性を相談してきたところ、今回、新しいタイヤクフロア・ラボプラスを実現していただきました。木目柄やモルタル調の柄などバリエーションがありながら、研究施設でも使える床材ができたわけです。研究・開発施設をよりよくするための床材がようやく動きはじめたなと思いました。

オフィスエリアとラボエリアをシームレスにつなぎ
ラボを緊張感から解放できる

タイヤクフロア・ラボプラスは、木目柄、雲柄、織物柄、モルタル調といったデザインのバリエーションがありながら、耐薬品性や抗菌性、帯電防止性、ノーワックスメンテナンス対応など、研究・開発施設に必要な機能性も併せ持った機能性ビニル床シートです。
まさにプラナスが思い描く、これからの研究施設に最適の製品でした。
そしてこの製品の登場は、折よくプラナスが入居するレンタルラボの機能を持った新社屋の設計時期とぴったりのタイミングだったのです。

このレンタルラボフロアの設計を手掛けた栗原さんは、いち早くご採用いただいたタイヤクフロア・ラボプラスの印象について語ってくれました。

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プラナス株式会社 栗原 栄佑さん(10F DISCOVERY LOUNGEにて)

栗原 栄佑さん(以下栗原さん):研究施設で使える床材にはカラーのテクスチャー、素材感があるものがなかったところに、耐薬品仕様の木目柄シートがでてきました。
これまでの分析室の白いイメージが、まるでキッチンのような雰囲気に一気に変わりましたね。
何かを作る、新しいものを生み出すための場所、長時間集中しなければならないユーザーにとってはいい空間になったと思います。

今回はオフィス機能がある側とラボ部分がシームレスにつながっているので、大空間として見たときも居住スペースとして広がりがあって、自然にマッチしているのではないでしょうか。

オープンラボ、見せるためのラボ、ショールームなどもあるので、見せるという視点からも、今後もバリエーションを増やすことを追求してほしいですね。

福田さん:床の影響って大きいですよね。
人は床で「ここが何をするところか」を判断します。塗り床だったら厨房だなとか、フワッとしたカーペットだったらここは何か高級なところかなとか、足の裏を通して感じますよね。だからラボで木目柄の床材を使えるというのは大きいと思います。
これまでの研究・開発施設は緊張を強いられるような雰囲気が強かったですが、「もっといろんなことをしていいんだよ、会話していいんだよ」という心理効果が生まれますから。

オフィスとラボはこれまでも隣接されてきました。ラボで実験したデータをオフィスで確認したりまとめるという作業があります。
ただし、最近でこそオフィスは居住空間のようにそこにいたくなるような雰囲気になってきていますが、ラボはまだまだ。いくらキレイなガラスで区分けをしたり壁などで頑張ってデザインしても、居心地のいい空間と疲れやすい空間というようにきっかりと分かれてしまっていました。それが木目を採用したタイヤクフロア・ラボプラスによって、オフィスとラボが一気につながりましたね。

さらに、木目柄のなかでも濃淡が揃っているのがうれしいです。お客さまの環境に個別に対応するうえでも、色柄のバリエーションがあるのは強みですね。

オープンであること。きっかけが散りばめられていること。
ひらめきのきっかけになる「偶然」を生み出す空間

研究・開発施設は、さまざまなベクトルから変化が求められています。
機能性があることは前提で、そこで研究する人、その人の環境、そういったこれまであまり顧みられなかった部分にスポットを当てることで、よりクリエイティブな空間づくりが重要視される流れが生まれはじめています。そうした研究・開発施設の最先端事情についてさらにうかがいました。

福田さん:研究・開発施設のあり方としてオープンが求められる傾向もあります。一企業で今までにない新たな視点で何かを生み出すという点に限界があるため、外部研究者と共同開発していくオープンイノベーションという背景があります。
実際、われわれのもとには単一の実験室だけで完結するのではなく外部とともに研究開発をしたり、技術を紹介するための「イノベーションセンターを作ってください」という依頼も増えてきました。

栗原さん:研究・開発施設の変化には、ここで研究したいと思わせるようなリクルートの側面もあります。
オフィスといっしょですよね。こういうオフィスで働きたいと思う人がいるように、研究者にとってはこんなところで研究をしてみたいと思わせる場所が実験室にあたります。
長時間過ごす場所になりますから、そこが居住空間のようなところだったらポイントになるんじゃないかと思います。
薬品を使ったり、必要な機材があったりするので、実験はリモートではできません。そういう意味でも、求められるのは「場所」になってきますよね。

福田さん:研究・開発施設では、偶然の出会いやきっかけが求められます。
研究が行き詰まったときにちょっと違う空気に触れることが新しい発想につながったり、誰かと話したり、思いがけない景色を見たり、やりかけて放置されていた面白いサンプルにでくわしたり。そうしたきっかけが新しいものを生むためのヒントになります。
そういう場所を作ることがわれわれの仕事だと考えています。

栗原さん:今回のレンタルラボの機能を持った当社のショールームのテーマは、「エジソン」としています。発明家として有名なトーマス・エジソンという人は、じつはイノベーションセンターのような場所を初めて作った人でもあるんです。

エジソンの研究所はいまもアメリカ・ニュージャージー州に残されているのですが、ラボや工場があるかと思えば、音楽室があったり、いろんな素材がごちゃごちゃとあるなかに打ち合わせスペースがあったり。ひらめきのきっかけがそこらじゅうにあるイメージです。そんな場所を再現できたらという思いで設計しました。
打ち合わせスペースとラボスペースを隔てるガラス壁には、エジソンのノートにある自筆の文字をそのままフィルム化しイメージ作りに生かしています。

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タイヤクフロア・ラボプラスTP-8320Gが施工された5Fのレンタルラボスペース
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オフィスとラボがシームレスに繋がる空間

福田さん:固定概念を変えていくことがわれわれには求められています。実際に当社の入居する社屋では新しいものを生み出すお手伝いができるようなコンセプトもあります。

1階はチョコレートとコーヒー、アロマとラボウェアが買えるショップ「6oo」とショールーム「X/S」になっています。5階はパートナーたちにご利用いただけるコワーキングスペースやレンタルラボを作りました。10階の「DISCOVERY LOUNGE」はリゾートホテルのロビーに来たような体感ができるラウンジスペースになっています。すべてイノベーションを生み出すための設備です。

建築を設計するだけの建築事務所ではなく「研究者たちがいいものを生み出すために何をすればいいのか」そういうことを探求する集団として切磋琢磨しています。

チョコレートもそのうちのひとつなんです。
ご興味のある方はぜひ当社のホームページを見てください。弊社代表である林が探求した秘密がくわしく書いてあります。


研究者の発見やイノベーションに貢献するというスタンスが、そのまま日本の研究・開発施設にイノベーションを起こしているように思えます。そのプラナスが描く研究・開発施設像にマッチする新たな床材を生み出すことができ、一助となれたことがとても誇らしく思えるような取材となりました。

研究・開発施設のイメージを刷新する床材、「タイヤクフロア・ラボプラス」と「タイヤクフロア・ラボ」にもぜひご注目ください。

プラナス株式会社 一級建築士事務所

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