TAJIMA FLOOR(田島の床材)

田島ルーフィング株式会社

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オフィス改修にも役立つ、フリーアクセスフロアと床材の話

オフィス改修を検討されている方はじつにさまざまな要素を検討しなければなりませんが、そのなかでも避けて通れないのが“フリーアクセスフロア”とそれに合わせる床材の検討です。
じつはこれ、複数の要素が絡むなかなか難しい問題です。今回は床材の視点から概要を説明してみます。

 1. フリーアクセスフロア ~呼び方はいろいろありますが、役割は同じ

 2. 施工 ~セオリーは置敷き床材の直接施工。ただしバリエーションもあります

 3. 床材 ~組み合わせることができる床材は多彩。ポイントは「目地などの凹凸による不陸の発現」

 4. まとめ ~使える資材の条件と仕上がりのレベルから検討してみましょう

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1.  フリーアクセスフロア ~呼び方はいろいろありますが、役割は同じ

オフィス改修の床について検索をすると、「フリーアクセスフロア」や「OAフロア」、「二重床」、「OA床」、「FF/フロートフロア」、「ライズドフロア」など、いろいろなワードが出てくると思います。さまざまな呼称がありますが、これらはすべて「上げ底にして床面を上げ、建物の躯体と床面の間に配線や空調のためのスペースを作る」という同じ役割を持つものを指しています(この原稿ではフリーアクセスフロアという呼称に統一します)。PCやOA機器がマストな現代のオフィスなどでは欠かせない仕組みですね。
フリーアクセスフロアはスチールやプラスチック、コンクリートなどの材質、支柱のタイプや構造、サイズなどで多様なタイプに分類されます。ただし、どのようなフリーアクセスフロアを選んでも、目地や支柱天部の切り欠きや点検口などがあります。フリーアクセスフロアのうえに床材を施工する際、美観の点ではこれらによる凹凸が床材に発現しないように施工すること、また発現してもそれをどこまで許容できるかということがポイントとなります。
また、フリーアクセスフロアの点検口を利用する際の利便性、改修の際の作業強度などにも考慮する必要があります。

 フリーアクセスフロアについて
  今回は組み合わせる床材の話をメインとしますのでフリーアクセスフロア自体の詳細は割愛しますが、
  フリーアクセスフロア工業会のホームページではわかりやすく詳細が紹介されていますので、気になる方はご覧ください。

  フリーアクセスフロア工業会 https://www.free-access-floor.jp/

2.  施工 ~セオリーは置敷き床材の直接施工。ただしバリエーションもあります

フリーアクセスフロアを採用した場合、そのうえに床材を施工するには、おもに以下の方法があります。

a. フリーアクセスフロアのうえに直接床材を施工する
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b. フリーアクセスフロアのうえに合板を敷き、そのうえに床材を施工する
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c. フリーアクセスフロアのうえに捨て貼り用シートを敷き、そのうえに床材を施工する
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一般的なオフィスであれば、a の施工方法がもっともポピュラーです。
このほかに、bのフリーアクセスフロアのうえに合板を敷いて、そのうえに床材を施工する方法があります。これには床材が置敷き床材に限定されないというメリットがある半面、クリーンルームなど特殊な条件が要求される場所では木材や紙などの有機物の使用がNGな場合もあり、合板が使えないケースもあります。また、合板を採用する際は、合板自体の供給の安定性やクオリティ、施工の際の職人さんの問題(合板施工は一般的に大工仕事になります)、フリーアクセスフロアの点検口が使えなくなるなどの諸事情が生じることがあります。
そして、a、bどちらの方法も採れない場合には、cの捨て貼り用シートを使う工法があります。
たとえば、「研究施設などで機能性の面から基本的にシートを使用したいが、シートを直接施工するとフリーアクセスフロアの表面の凹凸がすべて床材の表面に現れてしまう。だから合板を使いたいが、条件的に有機物である木製の合板が使えない」、「一般的な居抜きのオフィスで点検口は使用しないので、コストの安いシートを採用したい」といったケースです。
では、次項でフリーアクセスフロアと床材の関係についてみてみましょう

3.  床材 ~組み合わせることができる床材は多彩。ポイントは「目地などの凹凸による不陸の発現」

フリーアクセスフロアと床材の関係で、もっとも注意しなければならないのは「目地などの凹凸による不陸の発現」です。1の項で記載したとおり、フリーアクセスフロアにはさまざま凹凸があります。一方、塩ビ製床材は下地に追従するのが特徴なため、下地の凹凸は必ず床表面に発現します。なにも対策をしないでごくごく普通の塩ビ床材を施工すると、施工してしばらくたった床材の表面には、必ずフリーアクセスフロアにある凹凸のぶんだけ表面にうっすらと凹凸が現れて仕上がりのクオリティに影響します。
では、それぞれの施工方法と床材の関係についてみてみましょう。

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a. フリーアクセスフロアのうえに直接床材を施工する
  →施工できる塩ビ床材:ピールアップ工法で施工するカーペットタイル、置敷きタイル

この方法では、いわゆる「置敷き床材」と呼ばれるタイプの床材をピールアップ工法で施工できます。
カーペットタイルは、表面にパイルの層があるため床材表面への下地の影響をもっとも受けづらい床材です。目地などの出現を抑えるという意味では、もっともフリーアクセスフロアに適した床材といえるでしょう。
一方、置敷きタイルは、一般的なタイルが3mm程度のところ5mm程度の厚さとなっています。この厚さはおもにタイルの変形を抑えるための設計ですが、目地などの発現の抑制にも貢献しています(ただし、まったく不陸が発現しないわけではありません)。
また、いずれも接着剤で強固に下地に接着をしないピールアップ工法なので、貼り替えが容易で改修時の作業が容易というメリットもあります。

b.フリーアクセスフロアのうえに合板を敷き、そのうえに床材を施工する
  →施工できる塩ビ床材:合板下地に施工可能な床材全般

あいだに合板を挟むことで、フリーアクセスフロアにある凹凸の影響をなくすことができます。床材も下地として合板がOKとされる床材であれば施工ができます。この工法では、置敷き床材に限定されることなく、一般的な3mm厚のタイルや塩ビ製シートなども使用できるのがメリットですが、フリーアクセスフロアの点検口を使用することが困難になります。また、先に述べたように条件的に合板を使用できないケースや、施工の面から合板ではないほうが好ましいケースなどがあることは覚えておいてください。

 合板下地について
  合板は「非吸収性下地」といって接着剤の溶媒(水や溶剤)がほとんど染み込まないため、
  一般工法とは異なる反応硬化型の接着剤が必要になります。

c.フリーアクセスフロアのうえに捨て貼り用シートを敷き、そのうえに床材を施工する
  →施工できる塩ビ床材:おもに塩ビシート

専門的な条件が理由で合板が使えない、また液体の浸透を防止したいので床材はタイルではなくシートが好ましいといったケースでは、フリーアクセスフロアのうえに塩ビ製の捨て貼り用シートを施工し、そのうえに床材を施工するという方法があります。まだこの工法のための捨て貼り用シートの普及があまり進んでいない、比較的新しい工法といえます。この工法は、a と同様にピールアップ剤で捨て貼り用シートを施工しますので、改修の際の剥がし作業が容易なこと、フリーアクセスフロアのうえに施工するのがいずれもシートなので簡単にカットができ、点検口へのアクセスが簡単といったメリットがあります。
TAJIMAでは「OA下貼シート」という製品が、この捨て貼り用シートにあたります。
「OA下貼シート」は厚さ3.2mmの発泡塩ビシートで、発泡層が緩衝することで目地などの発現を低減することができます。くわえて、床材表層への影響を抑制するためにフリーアクセスフロア自体で不陸調整ができる「独立支柱タイプ」との併用をお願いしています。ただし、この工法もまったく目地が発現しないわけではありません。採用できる部材の条件と仕上がりのクオリティのバランスを検討する必要があります。
案件によってはこの捨て貼り用シートを用いた工法が唯一の解決策になる可能性がある一方、仕上がりは諸条件に左右されますので、採用をご検討の場合はぜひご相談ください。
なお、発泡層によるクッション性が目違いのリスクを高めるため、OA下貼シートとタイルの組み合わせはおすすめしません。

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 光沢とエンボス
  床材への目地などの発現には、床材表層の光沢とエンボスも関わってきます。
  目地などの発現がもっとも目についてしまうのは、光沢のある床材です。
  低光沢の床材やエンボスにより光沢が抑えられた床材を選定することで、
  床材表層への影響をわかりづらくすることもできます

4.  まとめ ~使える資材の条件と仕上がりのレベルから検討してみましょう

フリーアクセスフロアと床材の関係についてご理解いただけたでしょうか。
フリーアクセスフロアの現場では、カーペットタイルと組み合わせるのがもっとも無難な手法ですが、これができない場合は、採用できる施工方法や施工する床材、仕上がりのクオリティといった複数の要素を包括的に検討する必要があります。この原稿ではあくまでアウトラインを紹介しており、実際にはケースバイケースで対応しなければならないことも多いので、こうした案件でお悩みの場合はぜひお気軽にご相談ください。

 

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