建物の屋上やバルコニーに施工され、雨漏りから生活空間を守る防水層。強い日差しや風雪を受け、長い間に傷みが出てきます。防水層の状況を把握し、適切な時期に補修・改修することが大切です。
防水層の耐用年数は、仕様や工法、断熱材の有無、保護材の有無、屋上の使用頻度等、様々な要因により大きく異なります。下記に示す年数は、あくまで目安となります。実際の劣化状況は専門家による調査をご依頼ください。
鉄筋コンクリート造の建物の寿命は、60~65年程度といわれています。そして建物を守る代表的な防水機能の寿命はおおよそ下記の通りとなります。防水層の寿命を考えると、建物のライフサイクルの中で2~4回の防水改修をすることが必要となります。
※建設省総合開発プロジェクト(昭和55年~59年)の「建設防水の耐久性向上技術」資料より引用。
()内の年数は田島ルーフィング㈱の経年防水層分析試験など、独自研究データによる推定耐用年数。
防水層の改修で、もっとも慎重な判断をもとめられるのは下地処理の方法です。比較的良好な状態で防水改修を行う場合には、新設する防水層をかぶせて施工することが可能です。それに対し、劣化が進行していた場合には、防水層を全面撤去して下地作りを行う必要があります。早めの手当は、トータルコストを抑えるだけではなく、既存防水層を活かし建物への負担も軽減します。