下葺材は用途や目的に応じていくつも種類があり、その多くはアスファルトと基材の組合せから構成されています。
使用されるアスファルトと基材の性質により、下葺材の特長やグレードが決まってきます。
下葺材の主な構成材料のひとつがアスファルト。アスファルトは原油を精製して最後に残る石油製品です。すぐに浮かぶのは道路舗装に使用されているアスファルトですが、じつは太古の昔、ピラミッドを積み上げた際に、石どうしの隙間にアスファルトを詰めて水が浸入するのを防ぐ目的で用いられ、いわゆる「防水材」として長い歴史を誇る材料です。
一般的なアスファルトはセルフシール性があり、コールドフローにより自己癒着するといった防水に好ましい性質をもっています。その一方、高温で柔らかくなりすぎる、低温で割れてしまいやすいといった弱点を持っています。そういった点を改善するために、アスファルトにポリマー等を添加し機能を向上させた、改質アスファルト※を用いた下葺材の割合が近年増加しています。
改質アスファルトは高温でダレにくく、低温で割れにくいといった、高温から低温まで広い温度範囲で優れた特性を持つほか、弾性を持ち、ステープルや釘穴に対するシール性や耐久性に優れているなどの特長があります。
※改質アスファルトを“ゴムアスファルト”と呼ぶ場合もあります。
アスファルト系防水シートの基材には一般に紙(原紙)が使用されてきました。原紙にアスファルトを含浸させただけのものはアスファルトフェルトと呼ばれ、主に外壁下張材として使用されています。
防水性を向上させるため、アスファルトフェルトの両面にさらにアスファルトをコーティングし、鉱物質粉粒を付着させたものはアスファルトルーフィングと呼ばれ、屋根下葺材として使用されています。
原紙を使用したフェルトやルーフィングは風にあおられて破れやすいなどの問題があり、それを解決するため、原紙を合成繊維不織布で補強した下葺材などが使用されるようになりました。さらに、合成繊維不織布を基材として用いるタイプも登場し、次のような特徴を持つ下葺材も近年多く見かけるようになりました。
・高い寸法安定性をもちステープル部が破れ難い。
・建物の動きに対して追従する伸びがある。
品名 | 長さ×幅 厚さ/重量 |
一般呼称 | 固定方法 | |
---|---|---|---|---|
マスタールーフィング | 20m×1m 22kg/厚さ 1.3mm |
改質アスファルト ルーフィング |
ステープル留め | |
LR シリーズ |
ニューライナールーフィング | 20m×1m 0.8mm(ドット含まず)/17kg |
改質アスファルト ルーフィング |
ステープル留め |
ライナールーフィング ラムダ |
20m×1m 1.0mm/22.5kg |
|||
ホームルーフα | 21m×1m 1.0mm/21.5kg |
|||
ライナールーフィング 500 | 20m×0.5m 0.8mm/8kg |
|||
タディス シリーズ |
タディスクール | 20m×1m 1.0mm(ドット含まず)/16.5kg |
ステープル留め | |
タディスブラッサム | 20m×1m 1.2mm(ドット含まず)/18.5kg |
改質アスファルト ルーフィング |
ステープル留め | |
タディスブラック | 16m×1m 1.2mm/23kg |
|||
タディスセルフアーマー | 16m×1m 1.0mm/22kg |
粘着層 | ||
タディスセルフ タディス セルフ1.2 |
16m×1m 1.0mm/16kg 1.2mm/19kg |
粘着層 (遅延タイプ) |
||
タディスセルフカバー | 20m×1m 0.6mm/14kg |
粘着層 | ||
タディス ホワイト+[プラス] | 18m×1m 1.0mm/16.5kg |
ステープル留め | ||
Pシリーズ |
PカラーEX+ プラチナスタイル |
21m×1m 1.0mm/20kg |
改質アスファルト ルーフィング |
ステープル留め |
PカラーEX+ | 18m×1m 1.0mm/18kg |
|||
Pカラー | 21m×1m 1.0mm/23kg |
アスファルト ルーフィング |
||
PカラーM (寒冷地区限定) |
21m×1m 1.0mm/23kg |
|||
PカラーNEXT | 18m×1m 1.0mm/18.5kg |
|||
粘着系 |
アンダーガムロンK | 16m×1m 1.0mm/18kg |
改質アスファルト ルーフィング |
粘着層 |
アンダーガムロンM | 12m×1m 1.5mm/23kg |
|||
アンダーガムロン DX | 8m×1m 2.0mm/18.5kg |
|||
アスヤン SB 200 | 20m×1m 0.6mm/16kg |