TAJIMA FLOOR(田島の床材)

田島ルーフィング株式会社

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Pタイルって、そもそもなに?[TAJIMAの開発床材①Pタイル]

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床材について検討するとき、木質のフローリングや天然石の石材床、磁器のセラミックタイルなどに加え、プラスチック製の床材も重要な選択肢のひとつとして考えられます。プラスチック製のタイルは、最近では「塩ビタイル」や「Pタイル」などの名称でユーザーに呼ばれることが多いようです。これらの呼び名は似ている部分もありますが、実際のところ意味する範囲は異なります。まずはじめにその違いについてご紹介します。

「塩ビタイル」「Pタイル」それぞれの名称の使われ方

まず「塩ビタイル」はその名の通り、原料に塩化ビニル樹脂を使ったタイル床材の総称で、「Pタイル」はこのなかに含まれます。これに対し、「Pタイル」という言葉にはいくつか使われ方があるようです。おおまかに分類すると以下の3つの使われ方をよく耳にします。

1.「塩ビタイル」と同様に、塩化ビニル樹脂を使ったタイルの総称としての使われ方

2.のちに説明する「コンポジションタイル」の総称としての使われ方

3.TAJIMAのコンポジションタイルのいち製品名としての使われ方

詳細は後述しますが、もともと「Pタイル」というのは、TAJIMAのいち床材の製品名で、JIS区分では「コンポジションビニル床タイルKT」に分類され、原料を練り込み手法によって作り上げた単層構造のタイルを指します。一方、JIS区分でいう「複層ビニル床タイルFT」は、ベースとなるバッキングの上に印刷フィルム層や表面クリア層などを重ねた複層構造のタイルを指します。「コンポジションタイル」はその特長である素材自体の温かみある質感が魅力で、「複層ビニル床タイル」は印刷表現によって木目や石目などの多種多様な色柄をリアルに再現しており、どちらもさまざまな種類の建物で広く使われています。

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TAJIMA Pタイル開発の歴史

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「Pタイル」という名前は、建築やDIYなどの業界で一般名称として広く親しまれていますが、じつはもともとTAJIMAが1950年代に開発したプラスチックタイルの製品名で、現在も製造・販売しているものです。ここで少し、Pタイル開発の歴史をご紹介しましょう。

1919年に建築防水材メーカーとして創業したTAJIMAは、戦後1949年、GHQからの要請により床材の開発に着手しました。そのアスファルト技術を活かして開発された「アスファルトタイル」は、“100万人の歩行に耐える床材”として大きな注目を集めます。その後1953年には塩化ビニル樹脂の汎用化を受けて、日本で初めてプラスチックタイルの生産をスタート。そして迎えた1956年、アスファルトタイルと同等の性能を2.0mmの厚さで実現した「プラスタイルP」通称「Pタイル」を発売。大きく広告宣伝を行い、以降プラスチックタイルの総称として広く普及しました。高度成長期の1960年代には、高層ビルから学校・住宅まで爆発的に流行し、Pタイルを含めたビニル床タイル120万枚が床を飾りました。それから現代の2020年代まで、普遍的な使いやすさは残しつつ時代に合わせた色合いを取り入れながら、私たちの暮らしのなかに今も息づいています。

Pタイル開発のパイオニアとして、いち早く原料のリサイクルに着手

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多くの資源を使用する建材メーカーの社会的責任として、TAJIMAはプラスチックタイル製造における原料リサイクルにも早くから取り組んできました。製造設備内で発生する加工端材を床材へリサイクル。離れた工場間でも再生材をやり取りし、最終的に廃棄物を出さない仕組みを作り上げています。また、農業・園芸用のビニルフィルム等を床材に再利用。このリサイクルによって必要な回収・分別・洗浄・粉砕・造粒といった工程の技術を他に先駆けて開発しており、1974年から原料として有効利用しています。

これらの再資源化サイクルの取り組みによって新規原料の使用率を減らし、CO₂排出量を約32%削減。環境への負荷を低減し、循環型社会の実現に貢献しています。

施主・設計デザイナーからもその質感に評価の声をいただいています。

実際にTAJIMAのPタイルを採用いただいた事例も別トピックでご紹介しています。選定の理由や仕上がりを見ての感想などについて、インタビューさせていただきました。そちらもぜひ参考にしてください。

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左:A-25(Photo:Ryosuke Sato) 右:P-41
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[インタビュー]味わいと施工のしやすさがいい。Pタイルはこれからも使っていきたい床材です。「kurosawa kawara-ten」

[インタビュー]Pタイルが彩る登録有形文化財「国際基督教大学 ディッフェンドルファー記念館 東棟」

さまざまなデザインへ広がりを見せるPタイル、コンポジションタイル

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 右上:P-17 , P-32 , P-4  左下:A-27  右下:PRD-401 , PRD-475

TAJIMAのPタイルは現在、3つのバリエーションで展開されています。Classicは斑(ふ)の質感が印象的なPタイルの定番といえるデザイン、Modernは自然な風合いを基調としたシンプルで現代的なデザイン、そしてMujiは時代の変化に応えるカラフルでフラットなデザインとなっています。

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左:ウッドクラフト(648-807 , 648-808 , 648-810 , 648-811) 中:テラーノ(TN-107 , TN-109 , TN-110 , TN-115 , TN-118) 右:モルタライク(647-701)

また、Pタイルと同じ「コンポジションタイル」のカテゴリーでは、天然木のようにひとつひとつ異なる木目や色の濃淡を表現した「ウッドクラフト」、石畳の風合いを微妙なグラデーションで表現した「テラーノ」、マットな質感でスタイリッシュなモルタル調仕上げを表現した「モルタライク」なども製造販売中です。

シンプルな無地柄だけでなく、身近にあるさまざまな素材を表現したデザインも加わり、コンポジションタイルの世界はデザイン面でも広がりを見せています。

独自の素材感をもつコンポジションタイルの魅力

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ここからはPタイルを含むコンポジションタイル全般についてお話していきたいと思います。コンポジションタイルは塩化ビニル樹脂と炭酸カルシウムを主原料とし、職人の高い技術によって配合した顔料を練り込むことで、自然由来の温かみある質感と、ふたつとリピートしない豊かな表情を生み出すのが魅力です。

本物の素材感を感じられるタイルとして、空間の意匠性にこだわりの強い設計・デザイナーからも厚い支持を得ています。50年以上の昔からあるカテゴリーのタイルですが、“独自の素材感”をもつ付加価値のあるものとして、プラスチック製タイルのなかでも新たなポジションを獲得しています。

コンポジションタイルの未来、展望

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ツチナギ(TG-2101)

建材に対して環境への配慮がより強く求められているなか、2023年にTAJIMAは、原材料の一部に卵の殻を再利用したバイオマスタイル「ツチナギ」を発売しました。食品メーカーで使用済みとなった卵殻を再利用することで、焼却や埋め立てなどの廃棄量を減らし、環境負荷の低減に貢献します。原材料の約20%に卵殻を使用しており、一般社団法人日本有機資源協会のバイオマスマークを床材として取得しています。色柄はバイオフィリックデザインの流行を受けて、相性のよい“土”の風合いを新たに表現しています。

TAJIMAのコンポジションタイルは地球環境に配慮した製造方法を取り入れながら、同時にその空間で過ごす人や室内環境についてもより配慮していきたいと考えています。また意匠面では、その魅力的な質感を活かして、身近にあるさまざまな素材の表現にも取り組んでいく予定です。これからもPタイルやその他さまざまなコンポジションタイルにご期待いただき、ぜひ空間作りの際にご検討いただきたいと思います。

Pタイル デジタルカタログ
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コンポジションタイル  デジタルカタログ
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Pタイル 商品ページ
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